今年の流行色は?時代を反映する2023年カラートレンド

武田 知也

流行色を決めているのは?
日本流行色協会(JAFCA)とPANTONE(パントン社)

「流行色」という名前からして、いかにも流行っている色が取り上げられそうですが、実はこの流行色は2年前から決められているのです。

流行色は、世界14カ国が参加する色彩に関わる研究・発信を行う国際組織「インターカラー(国際流行色委員会)」によって決定されます。14カ国の中には日本も含まれています。

インターカラーによって取り上げられた数十色のトレンドカラーの中から、日本流行色協会(JAFCA)が、独自に実施する国内生活者の志向やマーケットの動向調査と、インターカラー情報をもとに、専門員会によって日本の産業に向けたカラートレンドを選定します。

インターカラー(国際流行色委員会:INTERNATIONAL COMMISSION FOR COLOR)
1963年に発足した、国際的な流行色を選定する機関。
加盟国 (2021年12月現在17ヶ国)
アメリカ / イギリス / イタリア /インドネシア/ 韓国 / スイス / スペイン /タイ / 中国 / デンマーク / ドイツ/トルコ / 日本 / ハンガリー / フィンランド / フランス / ポルトガル

もうひとつ流行色を発表する企業に、世界的な色見本帳を出すPANTONE(パントン社)があります。
パントン社の色見本帳は、グラフィックデザイン、印刷、プロダクト、製品工程などあらゆる分野の色指定に使用されています。

その国際的色彩企業が毎年発表するのが「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー」です。

2022年の流行色はこちら

今年の流行色は?注目を集める2022年カラートレンド

日本流行色協会(JAFCA)が選ぶ2023年の色

2023年の色
「陽だまりのような明るいイエロー」
ルミナスイエロー

マンセル値 : 6.2Y9.2/4.1
系統色名:ペール・イエロー

Key words
多様性、つながる、広がる、共生、癒される、光る、immaterial(非物質)、適温、グラデーション、浸る、境界があいまいになる

日本流行色協会が選んだ2023年の色は、ルミナスイエローです。選定理由は、以下のように紹介されていました。

「じんわりと色が沁み込んでくるような「ルミナスイエロー」。優しく穏やかで、希望を感じさせてくれる色です。淡く柔らかい色は不安で固まった心にも無理なく入っていき、そっと癒し、明るい気持ちにしてくれるのではないでしょうか。」

長く続く感染症対策、戦争、環境汚染など、先行きが見通せず不安な気持ちになることが多い中、ルミナスイエローはほっと一息つけるような優しく穏やかな時間を与えてくれそうですね。

また、カラー選定の理由の一つに、

「デジタルデバイスが欠かせない日常ですが、デジタル画面を構成する光はどうしても刺激が強い色が多くなります。このような優しいイエローはデジタル表現やデザインのヒントになるかもしれません。」

とあります。優しい色合いのルミナスイエローはWEBデザインにも活用しやすそうな色ですね。WEBデザインに組み込む場合は、ルミナスイエローと組み合わせて使う「アソートカラー」も参考にしてみてください。

アソートカラー
・シルエット・グレー
・ペイパー・ライラック
・リフレクション・シルバー
・クリーン・ホワイト
・サーキュレーション・ブルー
・テンダー・ピンク

出展先 一社・日本流行色協会(JAFCA)

パントン社の2023年トレンドカラー

パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー2023
Viva Magenta18-1750(赤紫色)

2023年のパントン・カラー・オブ・ザ・イヤーには、生き生きとした躍動感に満ちた赤紫色のViva Magenta18-1750(ビバマゼンタ)が選ばれました。
自然の色に根ざした色合いは、天然染料に属する最も貴重な染料の一つであり、世界が知る限り最も強く明るい染料の一つであるコチニールの赤からインスピレーションを得たものだそうです。

パントンは選定理由として、以下のように説明しています。

今年のカラー・オブ・ザ・イヤーは、パワフルで力を与えてくれる色です。純粋な喜びを享受し、実験と自己表現を抑制することなく促す新しい生気に満ちた赤であり、電撃的で境界のない色合いが際立つステートメントとして現れています。PANTONE 18-1750 Viva Magentaは、同じように生きることへの活力と反骨精神を持つ人なら誰でも歓迎します。大胆で、ウィットに富み、すべての人を包み込む色なのです。

 


Shutterstock「実験的な色使い」

ストックフォトShutterstockでは、ベルリン在住のアメリカ人デザイナー Jessica Safko氏が独自の視点から予測した、2023年のデザイントレンドが紹介されています。

 

カラートレンドでは、グリーンとオレンジ、ブラックとパープル、ネオンカラーと原色などルールに縛られない実験的な色使いが紹介されました。


Shutterstockでは、他にも「3Dエレメント」や仮想現実やAI画像の影響を受けた「シュールな世界観」「歪んだタイポグラフィ」など興味深いデザイントレンドを紹介しています。

トレンドカラー活用方法

流行色は時代のムードを敏感に反映しています。うまく使いこなすことで、時代の価値にあったイメージを作ることができます。印刷物やWebサイトにぜひ取り入れてみてください。

ルミナスイエローの活用方法

やさしい色合いのルミナスイエローは、ベースカラーにぴったりです。メインカラーや、アクセントカラーには、日本流行色協会が紹介しているアソートカラーを取り入れてみましょう。

ビバマゼンタ活用方法

PANTONEが選出したビバマゼンダは、はっきりとした明るい色合いです。
大胆に使うことでより2023年の雰囲気を作ることができますが、アクセントカラーとして取り入れると活用しやすいです。

ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーについては、【WEB/印刷で使える】配色の基本ルール3つのカラーも合わせてご覧ください。

【WEB/印刷で使える】配色の基本ルール3つのカラー

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