今年の流行色は?新しい時代の兆し2024年カラートレンド

武田 知也

流行色の決め方は?

毎年変わる流行色ですが、そもそも誰がどのように決めているものなのでしょうか?今回は流行色についてと、2024年のトレンドカラーについて解説していきます。

日本流行色協会(JAFCA)とPANTONE(パントン社)

流行色は、日本を含む世界17カ国が参加する色彩に関わる研究・発信を行う国際組織「インターカラー(国際流行色委員会)」によって決定されます。
インターカラーによって取り上げられた数十色のトレンドカラーの中から、日本流行色協会(JAFCA)が、独自に実施する国内生活者の志向やマーケットの動向調査と、インターカラー情報をもとに、専門員会によって日本の産業に向けたカラートレンドを選定します。

インターカラー(国際流行色委員会:INTERNATIONAL COMMISSION FOR COLOR)
1963年に発足した、国際的な流行色を選定する機関。
加盟国 (2021年12月現在17ヶ国)
アメリカ / イギリス / イタリア /インドネシア/ 韓国 / スイス / スペイン /タイ / 中国 / デンマーク / ドイツ/トルコ / 日本 / ハンガリー / フィンランド / フランス / ポルトガル

もうひとつ流行色を発表する企業に、世界的な色見本帳を出すPANTONE(パントン社)があります。
パントン社の色見本帳は、グラフィックデザイン、印刷、プロダクト、製品工程などあらゆる分野の色指定に使用されています。

その国際的色彩企業が毎年発表するのが「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー」です。

2023年の流行色はこちら

今年の流行色は?時代を反映する2023年カラートレンド

日本流行色協会(JAFCA)が選ぶ2024年の色

2024年の色は、“世界にハロー!世の中を明るく照らすブルー”

<色名> ハロー!ブルー Hello!Blue
マンセル値 : 3.6PB5.5/8.6
系統色名:モデレート・ブルー

Key words

冷静、沈着、平静、知性、平和、共生、うららかさ、のどかさ、安らぎ、清澄、

コミュニケーション、俯瞰、調和、前向きに進む、シームレス、移り変わる色

日本流行色協会が2024年の色として選んだのは、「ハロー!ブルー」です。選定理由は、以下のように紹介されていました。

時代の混沌や世の中の不平不満を浄化し、未来を明るく照らし前向きにしてくれる色。すっきりとした空気を運んできてくれるような、クリーンでさわやかなブルーを2024年の色―メッセージカラーとして選びました。「ハロー!」と新しい時代を笑顔で歓迎するような、明るく優しいブルーです。

去年の流行色だった柔らかな光のような優しく穏やかな「ルミナスイエロー」と打って変わり、今年は混迷を極めた数年を経て、動き出した私たちに先行きを見定める冷静さを与えてくれるブルーが選ばれました。
キーワードにもあるように、知性や平和、調和を感じさせる2024年にふさわしい色なのではないでしょうか。

出典先:一社・日本流行色協会(JAFCA)

一社・日本流行色協会(JAFCA)

アパレルファッション、プロダクツ&インテリア、化粧品、学校等多業種の会員により構成されたカラーデザインに関する様々な活動…

パントン社の2024年トレンドカラー

パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー2024

PANTONE 13-1023 Peach Fuzz
淡いオレンジトーンの“ピーチ・ファズ”

 

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パントン社が選ぶ、2024年のパントン・カラー・オブ・ザ・イヤーは、「全てを包み込むようなその性質が心と体、魂を豊かにするベルベットのような優しいピーチカラー」のピーチ・ファズを選定しました。

パントン・カラー・インスティテュートのヴァイス・プレジデント、ローリー・プレスマンは選定の理由として以下のように説明しています。

「今年のパントン・カラー・オブ・ザ・イヤー 2024 により、私たちは、コミュニティへの注目が高まり、世界中の人々がどのように生きたいかを再考し、大切なもの、つまり愛する人々の近くにいることの心地よさを評価していることがわかります。この色は、その温かく歓迎する抱擁が思いやりのメッセージを伝え、その居心地の良い感性が人々をひとつにし、心を豊かにする色です」

出典先:PANTONE

Shutterstock
デザイントレンド2024で選ばれたカラー

ノスタルジックなカラーパレッド

ストックフォトのshutterstockが発表した、2024年の5つのデザイントレンドの中で、カラーについては「ノスタルジックなカラーパレッド」が取り上げられました。

Top Design Trends to Watch in 2024

1.AI Design:AIデザイン
2.Quiet Luxury:落ち着いたラグジュアリー
3.Hyperreal Photography:ハイパーリアル写真
4.Nostalgic Color Palettes:ノスタルジックなカラーパレット
5.Condensed Serif Fonts:凝縮されたセリフフォント

2024年春夏のファッションショーでは、ライラック、シャンブレーブルー、バーントオレンジ、サンシャインイエローなど、パステルカラーの虹のような、鮮やかな色彩が目立ちました。

グラフィックにおいても、1950年代の楽観的な色彩を彷彿させる、明るいパステルカラーが注目されています。単色ではなく、複数のパステルカラーを組み合わせるのがポイントです。

トレンドカラー活用方法

日本流行色協会(JAFCA)やPANTONE(パントン社)が決める「流行色」は、ファッションやメイクなどに使われるイメージが強いですが、グラフィックデザインにも有効です。

ウェブサイトの背景、チラシやポスターなどの印刷物、広告キャンペーンなどにこれらの色を取り入れることで、新鮮でトレンドに敏感なブランドイメージを築くことができます。

AIデザイン

Shutterstockのデザイントレンドの中にもあったように、2024年のグラフィックにもAIは大きく影響してくることでしょう。
カラートレンドにもAIがどのように関わってくるのか、今後AIが発展することにより、広告などが個々の嗜好にパーソナライズ化された時に、カラートレンドがどう変化していくのかも注目したいですね。

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