【WEB基礎知識】ABテストとは?あのアメリカ大統領も選挙で活用!
ABテストとは?
ABテストとは、ウェブサイトのパフォーマンスを改善するためのマーケティング手法です。
2つ以上のパターンを用意しそれぞれの成果を比較することで、より効果的な方法を導き出します。ABとは言いますが、3パターン以上でテストを行うこともあります。
ABテストは、主にランディングページ(LP)の最適化を出すのに効果的なマーケティング手法ですが、商品ページ、購入フォーム、メールマガジン、広告なども目的によっては有効です。
ABテストはコンバージョン率改善のために用いるためのウェブマーケティング用語でしたが、最近ではウェブサイトに限らず、テストパターンを複数用意して比較検証を行うこと全般を指すようになってきました。
ABテストとアメリカ大統領
元アメリカ大統領オバマ氏もウェブ戦略の一環としてABテストを実際に選挙で活用していたそうです。
彼は2007年から2008年の選挙活動中、ウェブを有効活用してより多くの支援者を募るために、その頃まだ認知の低かったABテストを使った改善を続けました。
実際にテストを行い改善を続けたのは、当時の彼の参謀ダン・シロカー氏です。彼はその後世界的規模を誇るABテストツール企業のCEOになります。
実際にオバマ氏の公式サイトで行われたテスト内容は、メール会員登録(コンバージョン)をしてもらうために、登録ボタンのラベル文言4パターンとメインビジュアルの画像or動画6パターンを用意し、テストを行ったそうです。
合計24パターンのテストを行い、もっとも多くメールアドレスを登録した、つまりもっともコンバージョン率が高い組み合わせを導き出し、選挙勝利へと繋がったのです。
ABテストの重要性がわかるエピソードですね。
ABテストのメリット・デメリット
メリット
・同時並行で検証できる
・パフォーマンスの高いページを見つけることができ、機会損失を防ぐことができる
・リニューアルなどに比べ低リスク・低コストで改善が可能
デメリット
・時間がかかる
・PV数(ページビュー数)が一致以上必要
・継続的な検証が必要
ABテストの進め方
1.目的
ウェブサイトの最終目的はコンバージョンです。そのためABテストにおいてもコンバージョン率を高めるための検証を行います。
ユーザーの行動導線やアクセス解析など信頼できるデータを元に改善したい要素を整理し、課題を導き出します。
たとえば
・直帰率を下げる
・コンタクトフォームページまでの導線強化
・ページビュー数を上げる
などといった内容です。何を改善するとコンバージョン率向上に繋がるかを整理しましょう。
2.仮説
次に課題になりそうな箇所を分解します。どこを改善したら効果が大きいか仮説を立てながら洗い出していきましょう。
・コンタクトフォームのボタンの大きさ・色・配置
・タイトル・見出しの文字の大きさ・色・配置
・ファーストビューのバナーデザイン
など、課題改善への仮説を立てながらテスト内容を設定します。仮説はあれこれと浮かびますが、重要だと思われるポイントに絞ることが効果を出すコツです。
ABテストは流入の多いページ(ランディングページ)や、コンバージョンに近い要素から実施します。
3.テストパターン作成
ABテストの方向性が決まったら、実際のテストパターンを作成します。
その際に目的・仮説で設定した改善内容に基づくテストパターンを作成するよう気をつけます。
例えばバナーデザイン2種類を作成しABテストを行うとした時、デザインの完成度ではなく、目的・仮説で洗い出した課題を検証できるかを重視します。
4.実施・分析・改善
ABテストの方法、期間は様々です。今回は全体の流れの解説のため詳しくはまた別のコラムで解説します。
テストを実施し、一定期間データが取れたら結果の分析を行います。上の例で出した課題「コンタクトフォームまでの導線強化」であれば、実際にコンタクトフォームへのアクセス数で比較します。
5.PDCAサイクル
ABテストは一度で終わりではありません。検証がうまくいかなかったとしても、それは次に成果を出すためのステップです。
デメリットの項目にもあるように、ABテストは継続的な検証が必要です。一度きりの検証にならないように、体制を整えることも重要です。