【動画・写真撮影】効果抜群レンズフィルターの選び方

武田 知也

レンズフィルターとは?

一眼レフやミラーレスカメラの交換レンズに取り付けるフィルターのことを「レンズフィルター」と呼びます。レンズを保護する目的の他、被写体の反射をコントロールすることができたり、色を鮮やかに撮影することができるなどのメリットがあります。

このコラムでは、レンズフィルターの種類と効果的な使い方について解説します。

レンズフィルター基礎知識

レンズフィルターの取り付け方

レンズフィルターは交換式レンズの前面に取り付けて使用します。レンズ前面にあるスクリュー溝にフィルターを時計回りに取り付け、止まるまで回し入れます。斜めに回し入れないよう注意しながら水平に取り付けます。
取り付けの際は、交換式レンズのレンズ面やフィルターのガラス面に指紋や埃が付かないよう、ブロアーやクロスを用意しておくと便利です。

レンズ口径に合わせてフィルターを選ぶ

交換レンズの口径とフィルター口径が合っていないとレンズに装着することができません。フィルターを購入する際はレンズ口径を確認します。口径サイズは交換レンズの前面部分や、キャップ裏などに記載があります。

複数の交換レンズを所持していてそれぞれのレンズ口径が異なる場合、レンズごとにフィルターを用意するのは費用もかかり大変です。ステップアップリング/ステップダウンリングという変換リングを使うと、サイズの異なるフィルターを装着することが可能です。

レンズフィルターの厚み

レンズフィルターは交換レンズの前面に取り付けるため、広角での撮影時にフィルターが角に映り込んでしまう「ケラレ」という現象が起こる場合があります。
ケラレを防ぐためには、できるだけ薄型のフィルターを使うことが効果的です。ただし薄型設計のフィルターほど高価な傾向がありますので、取り付ける交換レンズの画角を考慮して選択しましょう。

レンズフィルターコーティング

フィルターのガラス面にはコーティングが施されているものがあります。

・反射防止コート
フィルター内での余計な反射を抑え、フレアーやゴーストの発生を防止します。

・撥水・撥油コート
水や油を弾き、フィルター表面の汚れを防ぐコーティングです。汚れが付着した場合でも簡単に拭き取ることができます。

レンズフィルターの種類

保護フィルター

レンズに傷や汚れがつかないようにするためのフィルターです。

用途・目的

カメラを誤って落下させてしまったり、ぶつけてしまった時にレンズへの衝撃を和らげでくれる効果があります。レンズ表面に傷や指紋汚れなどを防ぐ目的もあります。
高価な一眼レフ、ミラーレスカメラのレンズには必ず装着しておきたいフィルターです。基本的には常時装着しっぱなしにしますが、保護フィルターが苦手なシーンもあることを覚えておきましょう。

保護フィルターが苦手なシーン

逆光・・・フィルターによっては、白く濁ったような写りになることがある。対策済みの高性能フィルターであれば影響はない。
夜景・イルミネーション・・・保護フィルターの表面が乱反射してゴーストのような現象が起こることがある。

PLフィルター(偏光フィルター)

PLフィルターとは、Polarized Light(偏光)フィルターの略です。偏光幕によって不要な光の反射を抑えることができます。
偏光幕は肉眼では捉えられない細かなスリット状になっており、特定の方向の光を吸収します。PLフィルターは偏光幕を2枚のガラスで挟んだ構造でできており、フィルター枠を回転させて偏光幕の角度を変えることで光の反射をコントロールします。

用途・目的

PLフィルターを使用するシーンはガラスや水面など反射する被写体の撮影時です。PLフィルターの偏光幕によってガラスや水面の反射をコントロールすることができます。
風景を鮮やかに表現するにのにも効果的です。植物や建物の光の反射を抑えることで、被写体の色味を引き出します。また、PLフィルターには青空を濃く鮮やかにする効果もあるため、風景撮影にはおすすめのフィルターです。

PLフィルターが活躍するシーン

・水面、ガラスなど反射する被写体・・・反射を取り除くことができる
・青空・・・空の色を濃く鮮やかにする効果
・紅葉や新緑・・・本来の色彩を引き出す
・商品撮影・・・商品の不要なテカリを抑えることができる

NDフィルター

NDフィルターは「Neutral Density(中性濃度)」の略で、レンズから取り込む光量を減らすために使用するグレーのフィルターです。色には影響せず、光の量だけを減らすことができます。

用途・目的

撮影時にシャッタースピードと絞りをコントロールする目的で使用します。滝の流れなど長秒露光を行うシーンなど、屋外撮影でシャッタスピードを遅くするには明るすぎるため、NDフィルターを使用して光量を減らします。また、屋外ポートレートなど背景をぼかすために絞りを開放にしたい時にもNDフィルターによる減光が有効です。

NDフィルターが活躍するシーン

・長秒露光
・背景をぼかした撮影

クロスフィルター

クロスフィルターを装着すると、夜景やイルミネーションなどの点光源をクロス型に光の筋に写すことができます。きらめく星のような印象的な表現が可能です。
光の線の数は、4本、6本、8本の3種類があります。

ソフトフィルター(ソフトフォーカスフィルター)

ソフトフィルターは、柔らかな描写を表現したい時に使用するレンズフィルターです。光を拡散することでコントラストを弱め、ふんわりとした優しい印象になります。
ソフトフィルターには種類があり、人物の肌の質感を柔らかに表現できるフィルターや、星空やイルミネーションを効果的ににじませ光を強調させるものなど、被写体や用途に合わせたフィルターを使用することでまるで映画のワンシーンのようなドラマティックな表現が可能です。

クローズアップレンズ

クローズアップレンズは、その名の通りレンズにフィルターのように装着するだけで被写体にクローズアップできます。一般的なレンズで手軽にマクロ撮影が可能です。
クローズアップレンズには種類があり、一般的にNOの数字が大きいものほど倍率が高くなります。クローズアップレンズは重ね付けをすることで倍率アップすることができます。

いかがでしたでしょうか?
フィルターを活用することでワンランクアップした撮影が可能です。是非撮影に取り入れてみてください。

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