【取材極意】初めての取材を成功させるインタビューのコツ
最近は企業の社員や店舗スタッフが自らコンテンツを作り、商品の魅力やサービスの紹介などを発信することが増えてきたように思います。コンテンツ制作の過程でインタビューや取材を行う機会もあるのではないでしょうか。
今回は取材やインタビューの経験がない方に向けて、事前準備やインタビュー成功のコツについて解説します。
豆知識
取材する側を「インタビュアー」取材を受ける側を「インタビュイー」と言います。
事前準備が成功の鍵を握る
取材対象のリサーチ
取材相手のことをよく知らないままインタビューに臨んでも深い話しを聞くことはできません。取材前に取材対象については可能な限り調査します。
事前調査は取材相手との信頼関係を築くための最低限のマナーです。インターネットを使いリサーチするだけでも多くの情報を得ることができます。ウェブサイト、SNS、書籍、新聞、講演会の記録など可能な限り調査しましょう。
ウェブサイト・SNS
手軽に調査できるウェブサイトとSNSはどんな場合にも最低限調査しておく必要があります。サービスや商品の内容、企業理念やニュースなどをチェックします。
過去のインタビュー記事、講演会など
著名な方は何度もインタビューを受けています。インターネット上にある過去のインタビュー記事をリサーチしておきましょう。講演会はアーカイブ動画などを探してみましょう。
書籍
書籍が多数ある場合はタイトルと概要だけでも目を通します。
質問項目の用意
取材意図に合ったインタビューができるよう、あらかじめ質問事項を作成します。記事の構成をイメージしながら、最終的な着地点(結論)に至るための質問を用意します。
可能であれば質問事項を取材相手に事前に送っておくと、当日のインタビューがスムーズです。
質問内容を練るポイント
・取材の目的を明快にする。
・記事の主題が何か、取材相手に伝わるようにする。
・核となる質問を必ず決めておく。
・インタビューのゴールを想定しておく。
・記事の構成を(一人称形式、対談形式、三人称形式)決めておく。
撮影・録音機材の準備
ICレコーダー
インタビューの録音にはICレコーダーが最適です。スマートフォンにもボイスメモなどの録音機能がありますが、インタビュー録音中に着信などで中断することも考えられますので、機内モードにしておくなどの対策が必要です。
インタビューの記録はICレコーダーの録音に任せ、メモを最小限にすることで、相手とのコミュニケーションに注力できます。
メモを取るか?話を聞くか?
取材後の作業のためにメモを取りたい気持ちはわかります。しかしメモをとるのに集中するあまり、肝心の取材が疎かになってしまうことがあります。記録はICレコーダーにある程度任せて、メモは重要ポイントや記事に使えそうなキーワードを中心に行いましょう。
カメラ
記事にする場合は写真撮影用のカメラを、動画の場合は動画撮影が可能なカメラをそれぞれ用意します。カメラマンに依頼するのが最適ですが、自社内で行う場合はカメラのスペックに注意します。
インタビューは取材担当と撮影担当の二人体制で行うのが最適です。取材中に自然に話しているシーンは一人では撮影ができません。表情も重要ですが、左右からのどちらのアングルでも撮っておくとレイアウトしやすいです。
マイク
動画コンテンツ用のインタビューを行う場合は、カメラのマイクだけでは不十分な場合があります。取材環境に合わせたマイクを用意しましょう。
企画書・進行表
当日の流れや取材の方向性を共有することで話が脱線しにくくなります。
取材当日に同席するのは、担当者や取材対象だけとは限りません。取材の目的や当日の流れがわかる書類を持っていき、限られた時間の中でスムーズにインタビューが行えるよう、その場にいる人と情報を共有できるようにします。
取材当日
「アイスブレイク」
話しやすい雰囲気作り
初対面の人同士が出会う時、緊張をときほぐすための手法のことを氷を溶かすことに擬えて「アイスブレイク」と呼びます。いきなり用意してきた質問をぶつけるのではなく、まずは話しやすい雰囲気作りましょう。
取材の目的を簡単に説明
「アイスブレイク」の話題作りに、取材の方向性を確認をするところから始めましょう。事前に企画書などを渡していたとしても、相手がどこまで目を通しているかは分かりません。確認の意味も含め、企画の内容をインタビューが始まる前に簡単に説明します。
タイムスケジュール
おおまかでもよいので取材時間の配分を共有することも重要です。取材相手が終了後に他に予定があるかなどもそれとなく確認しておくとよいでしょう。
答えやすい質問から投げかける
企画内容や時間配分についての確認が終えたら、準備してきた質問を元に取材を開始します。最初は取材相手の答えやすい質問から投げかけます。質問の順番は事前に準備しておくのが良いでしょう。
最初の質問は次に解説するクローズド・クエスチョンから始めるとスムーズです。
クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョン
クローズド・クエスチョンとは、「はい」or「いいえ」や「A」or「B」or「C」など、回答の範囲を限定した質問の方法です。話し始めや、会話に詰まった時などに有効です。
それに対してオープン・クエスチョンは「これについてどう思いますか?」「どのように考えますか?」といった、答えに範囲を設けず自由に回答できる質問の方法です。会話の幅を広げより深い話しを得ることができます。
どちらも同じ手法を続けるのは相手に不快な印象を与える可能性があります。クローズド・クエスチョンを続けると誘導されているように感じますし、オープン・クエスチョンは相手に回答を委ねるため、回答側の負担が大きくストレスになる場合があります。
まずは回答しやすいクローズド・クエスチョンから始め、オープン・クエスチョンで会話の幅を広げるなどして、それぞれの特徴を活かした取材を行いましょう。
6W2Hを活用して質問する
「6W2H」とは、When(いつ)/Where(どこで)/Who(誰が)/Whom(誰に)/Why(なぜ)/What(何を)/How(どのように)/How much(いくら)のことです。
質問に困った時に有効な手法です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は対面での取材・インタビューについてのコツをまとめました。Zoomなどを使ったリモートでのインタビューも増えてきましたが、基本的なことは同じです。オンラインの場合も今回の記事が参考にしてみて下さい。
万全の事前準備がインタビュー成功の鍵を握ります。時間がなくて準備ができなかったなどといった事態を避けるためにも準備にたっぷり時間を取って、はじめての取材・インタビューに臨んでください。