ブランド戦略とは?|メリットと企業成功事例3選

武田 知也

「ブランド」とは?

「ブランド」と聞くと、高級なファッション製品やロゴが思い浮かぶかもしれませんが、この言葉の定義を簡単にまとめると、製品やサービス、含め企業やメーカーに対して消費者が持つ「共有イメージ」のことです。

企業の販促・マーケティングにおいて、「ブランド戦略」「ブランディング」は、一般的な言葉だからこそ定義を理解しないままに、「高級感」などの施策の話しを先行してしまいがちです。

ブランドという言葉を理解し施策を行うことが、強い戦略を組み立てるために必要です。今回は「ブランド戦略」について解説していきます。

「ブランド」
ブランド(銘柄、英: brand)とは、ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念。当該財サービス(それらに関してのあらゆる情報発信点を含む)と消費者の接触点(タッチポイントまたはコンタクトポイント)で接する当該財サービスのあらゆる角度からの情報と、それらを伝達するメディア特性、消費者の経験、意思思想なども加味され、結果として消費者の中で当該財サービスに対して出来上がるイメージ総体。(Wikipediaより引用)

ブランド戦略とは

ブランド戦略とは、様々な施策を実行することで企業や製品の価値を高めて、消費者に訴求し認めてもらうことで、市場でも優位性を獲得するための戦略です。

ウィキペディアには、次のようなことも書かれています。

多くの企業が何らかの形で自社のブランド戦略を持っているが、これらの企業を利用するユーザーの同意があって初めて「ブランド」として認知されるため、ブランドのコントロールは非常に困難な作業となる。
(Wikipediaより引用)

企業がどれだけ労力を注いで価値ある商品やサービスをつくっても、消費者が認知できないものは「ブランド」とは言えません。
ブランド戦略の施策により、製品価値を広く消費者に向けて発信することで、はじめて「ブランド」として認知されます。

ブランド戦略を行うメリット

「話題づくり」より「価値づくり」

急速に変化する社会の中で、広報・PR活動もそれに合わせた進化を常に必要とされています。情報の賞味期限はどんどん短くなり、SNSでどれだけ話題になってもすぐに次の新しい話題に埋もれてしまいます。
その中でブランド戦略は、今後ますます重要になっていくでしょう。

ブランド戦略を行うことで以下のようなメリットを得ることができます。

<ブランド戦略のメリット>

・価格競争に巻き込まれない。
・信頼感(ロイヤリティ)の獲得
・知名度による新規顧客獲得
・宣伝・広告費用を抑えることができる
・長期的な利益を見込める
・他社との差別化

ブランド戦略には企業の特性・アイデンティが大きく関わってきます。
企業アイデンティティを活かしブランディングに成功した事例を3つご紹介します。

成功事例1:スノーピーク

「人生に、野遊びを。」というコーポレートメッセージを掲げるアウトドアブランドのスノーピークは、徹底的な顧客ファーストを行うことでブランド戦略に成功した企業のひとつです。

他社と異なる点は、自社店舗に足を運んでくれた顧客、つまりもっとも購入する可能性が高い顧客に的を絞り、マーケティング施策ををする点です。

宣伝を行い、幅広い顧客にアピールすることはブランド名の認知には役に立ちますが、「名前は知っているが、強い購入意欲はない」状態に陥りがちです。
スノーピークは、顧客の声を重視したリアル体験を提供するという販売戦略を実施し、「スノーピークには欲しい商品がある」という印象を与えるのに成功しています。

成功事例2:スターバックス

スターバックスのブランド戦略は「スターバックスに行けば、おいしいコーヒーを落ち着いた空間で楽しめる。」という店舗体験のイメージづくりにあります。

コーヒーそのものだけではなく、「空間」という「価値の提供」を洗練させることで、他社と差別化し、独自のブランドアイデンティティを築き上げた成功例です。

それは、従来のメディア戦略や広告で作られたイメージではなく、実際の店舗での体験によって形作られていったものです。
コーヒーの香り、音楽、内装、椅子やソファ、スターバックスでコーヒーを飲む体験が、スターバックスのブランディングそのものです。

成功事例3:マツダ「シェア2%戦略」

「Zoom-Zoom」のブランドメッセージを掲げる、国内自動車メーカーのマツダは、かつて値引き販売による「マツダ地獄」と呼ばれる現象に陥ったことがありました。
このピンチにとった戦略が「シェア2%戦略」です。
シェアを積極的に拡大するのではなく、既存の2%のファンに強く共感してもらえる自動車づくりを行いました。
大規模なデータではなく、マツダの熱狂的な少数のファンによる綿密なヒアリングを自動車づくりに反映するなど、多数の人に選ばれるためのブランドづくりをやめ、「マツダを愛する人のためだけに最高の自動車を提供する」という戦略が功を奏し、マツダの自動車は今や多くの賞を受賞するなど、ブランド戦略の成功事例として有名になりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
情報量に制限のないインターネットを中心に、多くの物に溢れる現代社会の中で消費者の記憶に残り続けるにはどうしたらいいのか。
消費者側が主体の一過性の話題を提供することよりも、発信する企業主体の価値づくりが重要です。プレスリリースやSNSに発信する内容が「話題」のみになっていないか、企業の「価値」とは何かを今一度見直してみるべきです。

ブランド戦略を行い、企業や自社製品の価値を高めていくことは、今後ますます必要なこととなっていくでしょう。
ブランド戦略、PRやプレスリリースなどでお困りの方は、京都広告デザイン.comにご相談ください。