6秒で伝える! 一瞬で心を掴む「驚き」の広告フロー

武田 知也

6秒で広告を伝えることは可能か?

現代の生活の中にはあらゆる広告物が溢れています。
あなたは今日いくつの広告に遭遇したでしょうか?そのうちいくつを「見た」と感じますか?

あるデータによると、集中力の平均持続時間は、
1980~1990年代生まれのミレニアム世代は、TVCMの長さの15秒。
それ以降1990後半から2000年代生まれ、デジタルネイティブでもあるZ世代はたった6秒と言われています。

余談ですが、とある研究によると金魚の集中力の平均持続時間は9秒だそうです。

6秒はあまりに短いと感じるかもしれませんが、インターネット上で数分を過ごしてみれば一目瞭然です。消費者は短いコンテンツを求めています。

試しに6秒数えてみましょう。

1… 2… 3… 4… 5… 6…

いかがでしたか?
実際数えてみると、一瞬というには長く、でも何かを伝えるには短すぎる。
そんな印象を受けた方もいたのではないでしょうか。

このわずかな時間のために、広告制作の現場ではターゲットに何とか興味を持ってもらおうと、趣向を凝らし、創意工夫、切磋琢磨し日々渾身の広告を作っています。

今回は6秒という短いコンテンツに有効な広告の方法をひとつご紹介します。

驚かせたもの勝ち!

TVCMやウェブ広告を見たときに、
「感動した」「笑った」「泣いた」「面白い」「懐かしい」「びっくりした」
と、何かしらの感情が動いた広告のことは、割とよく覚えていませんか?
できるだけ多くの人の記憶に残ることが、広告にとって最大の目的です。

記憶に残る方法には、味覚や触覚など五感に働きかけるもの、共感、反感など感情に訴えかけるもの様々ありますが、中でも一番瞬発力があるもの、それが「驚き」です。
6秒という僅かな時間の中では、笑わせるより泣かせるより、驚かせるのが早いのです。

驚きを使った広告フロー

では、「驚き」を使った広告のワークフローを、実際の有名広告を例に挙げて解説します。

<驚きを使った広告フロー4ステップ>
1.驚く!
2.「何だろう?」と興味を持つ
3.ネタバラシを見る
4.驚きをシェアする

1.驚く!

驚かせるには、謎やギャップ、意外性のあるものを使い、ターゲットに「これは何だろう?」「どうして!?」とアクションを起こせるポイントを作ることです。

驚きを使った広告を例に考えてみましょう。

RIZAP「結果にコミットする」

衝撃のビフォアーアフターのCMでお馴染みのライザップ。
「え?なんで急にマッチョになったの?!」初見は誰もが驚くのではないでしょうか。
あの独特のリズムと、驚きの結果は一度見たら忘れられなくなります。

キンチョー「読めない新聞広告」

新聞広告一面に「ゴキブリがいなくなるスプレー」と共に掲載された暗号のような数字とアルファベット、魚や手など複数の写真。そして「私たちは何を言っているのでしょうか」のメッセージ。

キンチョーの商品広告ということは一目で分かりますが、虫除けのスプレー缶広告に興味を持つ人はそれほど多くはないでしょう。
しかし、広告全面を使った謎の暗号。何かが隠されていそうな雰囲気。ついつい気になってしまうのではないでしょうか。
このように謎解きをうまく使って驚きの感情を与えることもできます。

キンチョー新聞広告

KINCHO 新聞広告 新聞に掲載された広告をご紹介します。見逃してしまったみなさん、どうぞお楽しみください。

2.「何だろう?」と興味を持つ

先ほど紹介したライザップのCM。テレビで初めて流れた時は「何が起こったんだ!?」と驚いたのではないでしょうか。
CM冒頭では、お腹ぽっちゃり、背中を丸め自身なさげにだったのに、次の瞬間美ボディに変身!その強烈なまでの分かりやすさがライザップCMの魅力ですね。

キンチョー「読めない新聞広告」もシンプルな「これは何だろう?」を演出した広告ですね。
クロスワールドパズルのような感覚で、ちょっと解いてみようか。謎があるとついつい解いてみたくなります。

3.ネタバラシをする

ライザップではビフォアーアフターに続いて「結果にコミットする。」「RIZAP」と表示されます。
「コミット?ライザップ?」と思ったところに、検索窓に打ち込まれた「ライザップ」の文字と、カチッとクリック音。
マッチョ&美ボディに大変身を遂げた謎を知りたくて、思わず手元の携帯で検索してしまいます。

このCMは「わたしも変身したい!」という願望を呼び起こすための装置であり、実際にどうやって変身を遂げたのかCMの中では一切説明していません。

ビフォアーアフター演出の後にコピーと検索窓を表示することで、変身の謎はウェブサイトをご覧くださいというフォローができています。

キンチョーのネタバラシはシンプルです。
広告に表示された暗号。解けても解けなくても、答えが気になった方はウェブサイトへ向かいます。そこには「解明!読めない新聞広告」のタイトルとネタバラシが。
キンチョーの新聞広告に込めたメッセージを知ることができます。

4.驚きをシェアする

さて、ふたつの広告をご紹介してきましたが、このふたつ人に伝えたくなりませんか?
ライザップは今や誰もが知っている有名広告ですので、今さらシェアする気にはならないかもしれませんが、もしあなたが結果にコミットしたら?
ライザップに通い、肉体改善・美ボディに成功したら、CMを真似して人に伝えたくなりませんか?

驚き型の広告は、最後にシェアしてもらうことで完結します。
今や、すべてのコンテンツはウェブで見られる時代になりました。TVCMや新聞広告であっても、SNSにシェアされウェブ上で話題になります。
どのような広告媒体であっても、拡散・シェアを意識した広告づくりが重要です。

まとめ

今回は瞬発力の高い「驚き」の感情に訴えかける広告についてご紹介しました。
驚き型は、ただ単に驚かせればいい、目立てばいいという訳ではありません。
コピーやテキストを使い広告メッセージを回収することが重要です。「結果にコミットする」や「読めない新聞広告」のような秀逸なコピーや、SNSにシェアされやすい言葉選びも広告を成功させるポイントです。

今回ご紹介した「驚き型」や、短いコンテンツを使った効果の高い広告を作りたい方は、ぜひ一度京都広告デザイン.comにご相談ください。

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