特色印刷とは?特徴と活用方法

武田 知也

特色印刷とは?

特色印刷とは、通常のフルカラー印刷を行う際のCMYK4色のインキを使った印刷とは異なり、あらかじめ指定した色を調合したインキを使った印刷のことです。

通常のオフセットのフルカラー印刷は、「Cyan(シアン)」「Magenta(マゼンダ)」「Yellow(イエロー)」の三色に「黒色」の4色を使用します。それぞれの頭文字を取って「CMYK」と表現します。このCMYKの4色の組み合わせで表現された色を「プロセスカラー」と呼びます。

理論上ではすべての色が表現できると言われているCMYKですが、金と銀、そしてビビッドな蛍光カラーは表現できません。これらの色を印刷したい時には「特色」を使用します。

特色の利用方法はインクの色を増やすだけではありません。特色を活かしたデザインや、インク数を抑えたコスト削減など、今回は特色の活用方法について解説させていただきます。

特色とプロセスカラーの違い

プロセスカラーとは、「Cyan(シアン)」「Magenta(マゼンダ)」「Yellow(イエロー)」「Key plate(ブラック)」の4色を組み合わせてフルカラー印刷を表現する、一般的な印刷方法です。

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印刷物の一部を拡大すると、ドット(アミ点)が見えます。プロセスカラーのインキは透過性があり、セロハンを重ねるように色を表現します。4色の極小の点が重なることで、人の目には豊かな色調が見え、フルカラーの再現が可能です。

それに対し特色印刷とは、印刷したいカラーのインキを印刷ごとに配合してインクを作り印刷を行います。

プロセスカラーには苦手な色、表現できない色があります。また、特色を活用することで印刷のシャープにしたり、コストカットにも役立ちます。
次に、特色印刷の活用方法をひとつひとつ解説していきます。

特色印刷3つの活用方法

1.プロセスカラーでは表現できない色に対応

・ゴールド、シルバー
・蛍光色
・メタリックカラー
・パール

これらの色はCMYKのインキでは表現することができません。特色を活用して、これらのカラーをうまく取り入れることでゴージャスなデザインや、パッと目を引く印刷物で他社との差別化が可能です。

2.コーポレートカラーなど安定した色再現

特色印刷は、企業のロゴなどで使用するコーポレートカラーにもおすすめです。印刷ごとのばらつきがなく安定した色表現が可能です。
プロセスカラーでも表現可能ですが、CMYK4色のアミ点の組み合せで再現するため、色によってはくすんでしまうこともあります。それに比べ、1色のインクのみで印刷する特色は、シャープではっきりした印刷が可能なのがメリットです。

3.特色印刷でコストダウン

特色印刷を活用することでコストダウンすることも可能です。プロセスカラーの印刷は、CMYK4つの版が必要です。印刷の内容によりますが、例えば黒+コーポレートカラーなどの特色の2色で構成されたデザインであれば、2版で印刷することができるため、版数を減らすことができコストダウンができます。

特色の色指定方法

DICやPANTONEといった色見本帳から、印刷したい色を指定します。

Illustrator 色指定方法

「ウィンドウ」メニュー→「スウォッチライブラリ」→「カラーブック」→「DICカラーガイド」

Photoshop 色指定方法

カラーピッカーを表示→「カラーライブラリ」→「DICカラーガイド」

「DIC」や「PANTONE」についてはこちらの記事も合わせてどうぞ

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まとめ

いかがでしたでしょうか?
うまく使えばワンランク上の洗練されたデザインが可能な特色印刷。今までとは少し違う印刷物が制作できます。ぜひ取り入れてみてください。

ただし、特色印刷は2色刷りでコストカットする以外は、特色分の+1版必要になるため割高になる傾向があります。また、色指定の方法など多少の知識が必要です。
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