印刷用紙の基礎知識と紙の紹介

武田 知也

印刷会社の紙見本なんかを見ていると、紙の種類の多さに驚きます。
今回はその中でも一般的によく使われている基本的な印刷用紙3種類と、アラベールやヴァンヌーボといったデザイナーに人気の印刷用紙3種類をご紹介します。
印刷用紙の種類や厚さなどの基礎知識も合わせて解説していますので参考にしてみてください。

印刷用紙の種類

塗工紙(グロス系)

・アート紙
・コート紙

塗工紙とは表面に塗料を塗布することで、印刷の再現性を高めた用紙です。
その中でも光沢感を出したものをグロス系と呼びます。発色性があり写真を中心としたカラー印刷に適しています。

塗工紙(マット系)

・マット紙(マット系)
・マット紙(ダル系)

グロス系より光沢を抑えたしっとりとした風合いの塗工紙です。
文字を中心とした印刷に適していますが、紙種によっては写真印刷にも適しています。
ダル系は印刷面にだけ光沢が出るため印刷物を際立たせます。マット系は印刷面も低光沢で落ち着いた印象になります。

 

非塗工紙

・上質紙
表面に何も塗工を施していない用紙です。
印刷の再現性は低いですが、塗工していないため印刷面の照り返しが少なく、書籍など文字で構成された文章を読ませるための印刷物に向いています。

印刷用紙の厚さ

「上質紙90kg」「コート紙135kg」など、印刷用紙を選ぶ時に見かける「kg」という単位は、紙の厚さの目安を表しています。
数字が小さいほど薄く、大きいほど分厚い用紙になります。

厚さであれば「mm」を使いそうなところを、なぜ、重さの単位である「kg」を使うかというと、紙厚は1,000枚単位で測った重さを単位としているからです。

四六判もしくは菊判という原紙サイズの用紙を1,000枚重ねた時の数字が「90kg」や「135kg」になります。そのため同じ「90kg」と記載されているものでも、用紙ごとに紙厚が異なるため、複数の紙種を使う場合は注意が必要です。

一般的なコピー用紙は、上質紙70kg程度。紙厚は約0.07mmです。
名刺だと、上質紙180kg〜220kg程度。紙厚は約0.25~0.3mmです。

印刷用紙の色味(白色度)

印刷に使われる紙はほとんどが白色です。
紙の白さを示す一つの数値として、紙の表面の光の反射率で表す「白色度」があります。数値が大きいほど白く、低いほど黒くなります。白色度100%は真っ白、0%は真っ黒ということになりますね。
実際には白色度100%の真っ白の紙だと光を反射して読みにくくなるため、青や赤の染料を混ぜている紙もあります。

また、印刷用紙には紙の名称に色名が付いた紙が多く存在します。

「ホワイト」が付いた白色名
スノーホワイト/スーパーホワイト/オフホワイト/ハイホワイト/ニュートラルホワイト/マックスホワイト/シルキーホワイト/ナチュラルホワイト

その他の白色名
ナチュラル/アイボリー/うすクリーム/きなり/ミルク/細雪/シルキー/コットン/メレンゲ

これでもまだまだ一部です。
同じ名称でも紙種によって色味は異なるため注意が必要です。

紙見本をはじめて手に取った時に多くの人が感じるあるあるネタとしては、
「“ホワイト”=真っ白ではない。」
ではないでしょうか。

下で紹介する「アラベール」という紙でも、「真っ白」に感じるのは「スノーホワイト」だったりします。じゃあただの「ホワイト」はというと、黄色味の強い白色、いわゆる「きなり色」や「クリーム色」と呼ばれる色に感じます。

基本の印刷用紙3種類

コート紙

チラシやパンフレット・カタログ、ポスター、写真集など、カラー印刷でよく使われる印刷用紙です。
コート紙はコート剤が塗布された紙の総称です。
紙の表面はつるつるとしており、印刷の発色がよく写真や絵を色鮮やかに表現できます。

マットコート紙

コート紙に比べて、光沢を抑えた紙がマットコート紙です。紙の表面に細かな凹凸加工が施されることで艶消しのような効果を出しています。
しっとりとした表現に適した用紙です。
マットコートといっても、完全に光沢感がなくなるわけではなく、「半光沢紙」とも呼ばれます。

上質紙

上質紙は非塗工紙のサラサラとした質感の紙です。
コート紙のような光沢感がなく、文字を読ませる印刷物に適していて、書籍や冊子、書類といった印刷物でよく使われています。

塗工紙と違い、パルプの間にインクが染み込むため、コート紙に比べると微妙なじみが発生します。このにじみが落ち着いた印象になるため、素朴な雰囲気に仕上がります。
また、鮮やかな発色のカラー印刷やベタ面の多い印刷には不向きです。

デザイナーに人気の高級印刷用紙

デザイナーに人気の高級印刷用紙を3つ紹介します。
どれも紙のやわらかな質感と高品質な印刷再現性を兼ね備えた用紙となっています。紙の質感や、インクの発色具合などは実際の紙サンプルで確認することをおすすめします。
紙サンプルは印刷会社などから取り寄せることができます。

アラベール

優しい手触りと繊細な風合いの非塗工紙です。
非塗工でありながらも、高い印刷適正と発色のデザイナーに人気の高品質ファインペーパーです。
白の紙色はナチュラル、ホワイト、スノーホワイト、ウルトラホワイトの4色あります。
(紙種・紙色の取扱は印刷会社によって異なります。)

ヴァンヌーボ

通常、紙の風合いと印刷適正は相反するものなのですが、その両方を高いレベルで兼ね備えた紙がヴァンヌーボです。印刷面に光沢感がでるため色鮮やかな印刷が可能です。
高級感のある印刷物にはぴったりの紙です。
ヴァンヌーボシリーズは印刷用途に合わせ、グロスからマットまで印刷面の光沢感や、紙表面の平滑性の異なる豊富な紙が用意されています。

Mr.B

マット調のしっとりとした風合いながらも、グロス感のある印刷ができる高級印刷用紙です。
やや粗めの表面が特徴的で、紙の質感を活かした印刷物に向いています。印刷面はグロス感のある表現になるため、マット調の紙質と印刷再現性の両方を得ることができます。

まとめ

印刷用紙の基礎と用紙の種類について解説してきましたがいかがでしたでしょうか?。手元にあるDMやパンフレットにどんな紙が使われているのか調べてみるのも面白いですね。街中で出会った手触りの好きな紙や、カタログなどを集めておき参考にするのも、いつもとは違う印刷物をつくるためのヒントになります。

印刷物の使用用途、ページ数やデザインなどの要素に合わせて紙を選ぶには経験と知識が必要です。
京都で40年、京都広告デザイン.comは印刷物のエキスパートです。印刷物でお悩みの方はお気軽にご相談ください。お問い合わせはメールまたは電話でも承っています。

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