企業とSDGs|なぜ広告にSDGsを取り入れる必要があるのか
最近、テレビや新聞などの身近な場所で地球温暖化やジェンダー問題に取り組む姿勢をアピールした広告を目にする機会が多くなったと感じませんか?WEBサイトやパンフレットなどにSDGs(持続可能な開発目標)のアイコンを見かけることも増えてきました。
SDGsに積極的に取り組む企業は日本も含め世界中で増加傾向にあります。
近年では、企業の持続可能性には経済・社会・環境の3つの視点で経営を行うことが不可欠であり、ESG(環境:Environment、社会:Social、企業統治:Governance)への意識が世界的に拡がっています。
SDGsとは
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)
2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
参照:外務省 SDGsとは?
ESGとは
環境:Environment、社会:Social、企業統治:Governanceの頭文字を取って作られた、持続可能な世界実現のための、企業が長期的成長を目指す上で重要な観点です。
今回のコラムでは、そういったSDGsに取り組む企業の広告・プロモーションをご紹介します。
SDGsの認知度
2015年にできたSDGsですが、実際どれぐらいの認知度だと思いますか?
2020年1月に大手広告代理店の電通が10~70代男女1,400人に対して実施した「SDGsに関する生活調査」によると、SDGs認知率は全体では54.2%、10代では7割超え(10代男性75.9%、10代女性72.2%)との高い結果が出ました。
「コロナ禍を経てSDGsへの関心が高まった」という回答者が32.4%となり、コロナ禍の影響を受けたことで昨年の調査より認知度がほぼ倍増したとのことです。
また認知している54.2%のうち認知経路の上位は、テレビ番組(47.3%)、ニュースなどの情報WEBサイト(32.0%)、新聞(24.2%)で、テレビ番組は第3回調査から急増したとのことです。これは、SDGsをテーマとするテレビ番組が増加したことも影響したと考えられます。
広告の変化
「SDGsに関する生活調査」の中の認知経路からもわかるよう、SDGsはテレビ、新聞、WEBサイトなどの多様なメディアで取り上げられるようになり、生活者がSDGsに接する機会は年々増加位傾向にあります。
企業やメディアがSDGsに取り組むのは、社会の期待に対する責任を果たすという側面もありますが、それと同時にSDGsに取り組むこと自体が企業にとってメリットがあるからです。
関心の高まりつつあるSDGsへ積極的に取り組む企業姿勢を、生活者は製品やサービス、それを伝える手段である広告やプロモーションを通じて感じ取っています。今や商品の名前を連呼しアピールするだけでは、企業イメージ向上は見込めません。どのように社会問題解決のために取り組んでいるか、姿勢そのものが宣伝になる時代なのです。
今後さらに、SDGsへの取り組みが企業への信用度やブランドイメージに大きく影響を及ぼすようになるのではないでしょうか。
SDGs広告・プロモーションのメリット
・ブランド力の向上
・企業の信用度がアップ
・新しい事業の機会創出
・社員のモチベーション向上
・製品・サービスに付加価値が付く
・国際的な評価が期待できる
SDGs広告・プロモーションの注意点
SDGsウォッシュに注意
「SDGsウォッシュ」とは、実態が伴っていないのにSDGsに取り組んでいるように見せかけることです。この言葉は、実際には環境に良い影響がないのに配慮しているイメージを作り誤解を与えることを指す「グリーンウォッシュ」から作られた造語です。
広告やプロモーションでSDGsへの取り組みを宣伝する際に、実態のないものになっていないかを充分に検討する必要があります。
SDGsウォッシュ、グリーンウォッシュは「Whitewash:ごまかし・粉砕」と組み合わせた造語です。
グリーンウォッシュの言葉の意味は、以下のような状況で使われます。
・実態がないのに環境に配慮しているように見せかける
・実態以上に環境に配慮しているように見せかける
・不都合な事実を伝えず、良い情報のみを伝達している
SDGsウォッシュにならないためのチェックポイント
・根拠がない、情報源不明な表現を避ける
・事実より誇張した表現を避ける
・言葉の意味が規定しにくいあいまいな表現を避ける
・事実と関係性の低いビジュアルを用いない
・言葉本来の語源を調べてから表現に用いる
・広告表現に登場している人たちや集団の表現方法が適切かどうかを検証する
・各国で価値観・文化の相違があることを確認しておく
一度でもSDGsウォッシュを指摘されたら最後、積み重ねてきた信用やブランドイメージが一瞬にして崩れ去ります。企業へのダメージは計り知れません。
広告やキャンペーンを行う際は、以上のチェックポイントに該当する箇所がないか充分に検討を重ねましょう。
次回のコラムでは、具体的なSDGs広告やプロモーションを企業実例とともに紹介してます。
SDGsに関してはこちらのコラムでも解説しています。ぜひ合わせてお読みください。
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