メタバースとは?注目されている理由をわかりやすく解説
IT業界が次に目指すものメタバース
FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグが「Meta(メタ)」への社名変更を発表した2021年以降、様々な場所で「メタバース」という言葉をよく耳にするようになりました。
しかし、メタバースが何を指すのか自信をもって答えられる人は少ないのではないでしょうか。
メタバースとは?
インターネット上で共有できる仮想空間
それもその筈で、メタバースという概念は人によって微妙に異なる使い方がされており、ひとつの定義に当てはめるのは非常に困難です。また、メタバースを定義することに大きな意味はありません。
メタバースという言葉は「meta(超越した)」と「universe(宇宙・世界)」を組み合わせた造語です。一般的にはオンライン上に構成された仮想空間や、その空間で提供されているサービスを指します。
メタバース (英: Metaverse) は、コンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された、3次元の仮想空間やそのサービスを指す。日本にあっては主にバーチャル空間の一種で、企業および2021年以降に参入した商業空間をそう呼んでいる。
「メタバース」という言葉が初めて登場したのは、アメリカのSF作家ニール・スティーヴンスンが1992年に出版した『スノウ・クラッシュ』の小説の中です。Google創業者のラリー・ペイジやPayPalの創業者ピーター・ティールが影響を受けた作品としても知られています。作中で「メタバース」はコンピューターの内側にある仮想空間として登場します。
メタバースが注目される3つの理由
1.様々な活動のオンライン化
メタバースが急速に注目されるようになったきっかけは、コロナ禍を背景としたあらゆる活動のオンライン化です。自粛生活を強いられたことにより、リモートワークやオンラインミーティング、イベントが一気に普及し、リアルで人と会うことと、オンライン上で「会う」ことが同等の価値を持ったことで、オンライン上の世界=仮想空間でのコミュニケーションに注目が集まりました。
2.ゲームによるオンライン空間での交流の浸透
また、若い世代を中心とした「あつまれどうぶつの森」や「フォートナイト」といったオンラインゲームなどのコンテンツが流行ったこともメタバースが注目されるきっかけのひとつになりました。
オンラインゲームでは「メタバース」という言葉を使わなくとも、現実世界とは違う空間でキャラクター(アバター)となり多人数オンラインでプレイできるという、メタバースと同じ方向性の技術を発展させてきました。
3.NFTブーム
NFTとは「Non Fungible Token(非代替性トークン)」の略です。詳しい解説はまた別の機会に譲るとして、NFTとは簡潔に言えば「証明書付きのデジタルデータ」のことです。ブロックチェーン技術によって、コピーや改ざんが簡単にはできない唯一無二のデジタルデータの所有が可能になりました。それにより資産価値を持つようになったデジタルデータがアート作品を中心に高額で取引されるようになり、NFT市場が急速に拡大しました。
NFTはデジタルデータのため、現段階では使用できる場所が限られます。そこでメタバースの仮想空間とNETが結びつけられ、今後仮想空間上での経済活動が活発になるのではと、投資家を中心に期待が寄せられています。
メタバースビジネスの活用
Horizon Worksrooms
VR会議室
VRにより臨場感ある会議を仮想空間で体験することができるミーティングサービスです。VRヘッドセットを使うことでメタバース(3Dグラフィックの仮想空間)上に設置された会議室にアバターの姿でログインでき、方向性を持った空間オーディオによってリアルと同じような会話を楽しむことができます。
cluster(クラスター)
メタバースプラットフォーム
「cluster (クラスター)」はスマートフォンやPC、VR機器など様々な環境からバーチャル空間に集って遊べるメタバースプラットフォームです。
主にバーチャルイベントの分野での活用が目立ち「バーチャル渋谷」でのハロウィンイベントや「バーチャル大阪」での大阪万博連動イベントなどが行われています。
仮想伊勢丹新宿店
バーチャルショップ
仮想新宿の中にある伊勢丹新宿店のバーチャルショップです。デパ地下やファッションなど様々なショップが出店しており、オンラインストアで購入が可能です。オリジナルアバターウェアなどアバターファッションも楽しめます。
Roblox(ロブロックス)
オンラインゲーミングプラットフォーム
「Roblox(ロブロックス)」はユーザーがゲームを作成、共有、他のユーザーが作成したゲームをプレイすることができる、オンラインゲーミングプラットフォームおよびゲーム作成システムです。日本での知名度はまだあまり高くありませんが、世界では月間プレイユーザー数が1億6400万人(2020年8月時点)を超えています。
フレンドと一緒にゲームをするなどソーシャル機能も用意されており、仮想キャラクター(アバター)の装飾や販売も可能です。取引にはRobloxの仮想通貨を使用します。
メタバースの世界へ
メタバースでは仮想空間そのものが注目されがちですが、高度なグラフィックのバーチャル空間はメタバースの構成要素でしかなく、私たちがメタバースに求めているものは、他者と現実世界と同じように、もしくはそれ以上の新しいコミュニケーション体験ではないでしょうか?
ニール・スティーヴンスンが『スノウ・クラッシュ』を出版した1992年には遠い未来の夢物語だった「メタバース」の世界が、コロナ禍を経験した今の私たちにはその片鱗が感じられようになったのではないでしょうか。未来にはバーチャル世界が主で、リアル世界が従になる。そんな世界がやってくるかもしれません。
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