自然光を使った商品撮影レッスン1|必要な 3つの道具

武田 知也

弊社ではパンフレットやウェブサイト制作と一緒に、写真撮影も多数行っています。
最近カメラマンと撮影に伺うと、オンラインショップ用の商品撮影をするためのカメラや三脚などの機材の相談を受けることが増えてきました。

扱う商品によっては、すべてをカメラマンに依頼する事が難しい場合もあります。ここでは最低限の機材だけで行う、自然光ライティングの撮影方法について解説します。

イメージカットから商品撮影まで万能ライティングの自然光

「ライティング」と聞くと専門知識や照明機材のいる難しいイメージを思い浮かべるかもしれませんが、今回は取り上げるのは誰にでも使うことができる太陽の光です。

写真撮影では太陽光のことを「自然光」と呼ぶのが一般的です。自然光はプロの撮影現場でもよく使われるライティング技法のひとつです。
夏の光線のような強い光から、ふんわりと柔らかな光まで、使い方次第で様々な表情を作り出すことができます。

自然光撮影で用意するべき3つの道具

1.カメラ

カメラといっても一眼レフからスマートフォンまで様々ですが、ここで大切なのはどのカメラがいいかというより、何を撮るかです。撮影する対象によって必要なカメラが変わってきます。

スマートフォンとミラーレス一眼レフ・一眼レフカメラの得意/不得意なジャンルを紹介します。

【スマートフォン】
◯アパレル
◯雑貨
△料理
×アクセサリー
×箱型の商品

【ミラーレス一眼レフ、一眼レフ】
◎アパレル
◎雑貨
◎箱型の商品
◯料理
◯アクセサリー

スマートフォンの多くは広角レンズ(ワイドレンズ)が搭載されています。広角レンズは写る範囲が広く室内での撮影に便利な反面、遠近感を強調するという特徴があります。
箱型の商品は遠近が強調され、立方体が歪んで見えてしまいます。
また、ピアスや指輪などのアクセサリーも遠近が強調され形が歪むなど、小さ過ぎてピントが合わないなどうまく撮影できません。

逆に、俯瞰での撮影や、洋服など奥行きのない商品はスマートフォンでも撮りやすいジャンルです。

ミラーレス一眼レフや一眼レフは、すべての商品を美しく撮れるかわりに、扱いの難しさがデメリットです。
特に、アクセサリーは金属の質感表現やピントを合わせるなどテクニックが必要です。

また、料理撮影も湯気やテカリなど「シズル感」と呼ばれる料理撮影特有の表現を演出する技術はカメラだけでは補えません。

2.背景紙

撮影用の背景紙を探すと、数千円〜で見つけることができます。
文房具店などで手に入る大きななサイズの画用紙でもいいですが、紙の質感が写ることもあるため、できれば撮影用の背景紙を選びます。

色は白色から始めることをおすすめします。様々なカラーや柄の背景紙がありますが、商品をよく見せるには白色が一番です。
白色の中でも少し青みがあるものを選びましょう。生成りはウェブサイトや印刷物に掲載時にくすんだ印象になることがあります。

3.レフ板

レフ板とは、反射板のことです。光の反対側に設置し、反射した光を商品に当てて光を補います。
自然光を使った撮影を成功させるコツは、レフ板をうまく使うことです。

自然光ライティングの商品撮影では紙製のレフ板を自作します。自作はとても簡単です。
まずは白色の厚手のボードを用意します。ホームセンターにあるスチレンボード、デコボードや100円均ショップにあるカラーボードなど、厚さ5mm以上の白色板を調達します。大きさはA4〜A3サイズを選びます。洋服など大きさがある場合は、商品より大きなサイズが望ましいです。
ボードを2枚用意し、白色のテープでV字に貼り合わせ自立するようにします。

次回、レッスン2ではこれらの道具を使った撮影方法について解説します。
ぜひ続きもご覧ください。

自然光を使った商品撮影レッスン2|撮影方法とプロのように撮るためのヒント

京都広告デザイン.comでは、ウェブサイト制作やグラフィックデザインと合わせて、写真撮影も合わせて行なっています。
デザイン制作と写真撮影を合わせて行うことで、より訴求力の高いPRが可能です。自社での撮影はもちろん、より専門分野の高いカメラマンとのパートナーシップで、様々なフォトディレクションも行なっております。